やどかりの宿

やどかりによる書籍紹介その他の日常思うこと

図書館に育てられた私。−無料で得られる教養への恩返しについて–

 
週に2回、本屋さんに行くとその週は心が穏やかです。
財布は冷えます。
こんばんは、やどかりです。
 
 
 
昼前に起床してだらりと仕事する恋人を横目に
だらりと寝転んで一日が過ぎようとしていたので
「外に出たい!!!!外!!!!」
とさながら散歩に行きたいポメラニアンのように
キャンキャン騒ぎ立てて本屋に連れていってもらいました。
 
 
 
ああ、至福。
 
 
 
新刊を手に取り、表紙が気になり手に取り、気になっていた小説が
文庫化されたので手に取り。
 
色々手に取っては棚に戻していて
ふとある答えに気付きました。
 
 
「最近、小説読んでないなあ」と
ずっと思っていました。
自分の心を惹きつけるものがない…
なーんて一丁前の怪盗のように。
 
 
でもそれは違うと、急に分かったのです。
 
 
 
今までたくさん物語を読むことができたのは
「図書館で借りていたから」
だったということに。
 
私が最近、物語を買わなくなったのは
「どうしても欲しい」
と思った本にしかお金を出さなくなったからです。
私の教養の土台は無料で得られた情報で作られたものだったこと
とようやく気付きました。
 
「情報にはお金を出すのがクリエイタへのマナー」
と豪語している私は、今までの自分が享受してきたものを忘れていました。
 
 
 
 
(公立図書館の役割と要件)

公立図書館は,乳幼児から高齢者まで,住民すべての自己教育に資するとともに,住民が情報を入手し,芸術や文学を鑑賞し,地域文化の創造にかかわる場である。公立図書館は,公費によって維持される公の施設であり,住民はだれでも無料でこれを利用することができる。
 
(上のサイトの「公立図書館の任務と目標」というページからの引用です。
 図書館サービスの熱が伝わってくるいいページなので
 時間があればぜひ読んでほしい。)
 
 
無料で情報が得られるというのは素晴らしいことです。
しかしその情報には送り手が必ずいます。
何人がその情報を得ようと、送り手に入るのは1単位分のお金です。
(本1冊分、DVD1枚分)
 
それでは、情報にお金を払えなければ何が起こるか。
 
送り手は、情報を発信することができなくなります。
発信のためには、作る・調べる段階が必要です。
そこにはお金と時間が必要です。
 
情報が発信されなくると
より良いものが生み出されなくなってしまいます。
結果、教育の質は下がっていくことが予想されます。
良い人材は生まれにくくなるでしょう。
国の質にもつながる問題に発展します。
 
 
子どもの時に得られた教養に恩返しの意味を込めて
昔心躍らせた絵本を買おう。小説を買おう。
本棚に収まらないのなら電子書籍でもいい。
新品を買おう。
 
自分の子供に、また親戚の子へのプレゼントでもいいでしょう。
次世代に良いものを残し、また新たに良いものを生み出すために
情報にお金を払うことは必要です。
 
 
 
 
夜中のTSUTAYAで気づいたお話でした。